桂浜水族館に就職した昭和50年の夏、私は水泳が苦手でしたが、先輩の高谷さん(エコオヤジ)が大学時代水泳部だったので、イルカプールで手ほどきを受けていました。
そんな時、桂浜沖に人の死体らしきものが流れてきたのです。竜宮岬から見ると人のようでもあり、流木のようにも見えます。通報するにも流木ではどうにもなりません。そこで意を決して確認することにしました。当時の桂浜は遊歩道沿いに土産品店が並んでいて、おばちゃんたちが浜に出ていました。
「行かれんぞね、やめちょき」
「水泳は高谷さんから習っていますから」
その日は高谷さんは休みでした。目標まで50mか100mか波打ち際近くまで流れてきていました。水中眼鏡で前を見ながら接近。1mまで近づくと心臓が凍りつく!背広姿の人が下向きに浮いていました。腐乱した様子はなし。必死になってとび逃げる。息もつかずクロールで泳ぎ波で打ち上げられた形。
「人や人や!背広着た大きな男や」
死体は流されて泳へ出て行き、夕方のニュースで実際は140cmほどの小柄な年輩の女性ということを知りました。動揺して目測を誤ったのでした。
その晩は朝倉米田の高知大学南溟寮へ行き、まだ卒業していない同期生たちや後輩たちとビールやら酒やらウイスキーやらを飲みまくって……、何とか眠りにつきました。
これは怖かったですね😨
でも、御遺体も御家族様も見つけてくださり喜ばれたとおもいます。
その方に、どんな事情があったのか分かりませんが、見付けて下さってありがとうございます。