私の昭和、平成、そして令和「怖かった話④」スタッフM

桂浜水族館に就職した昭和50年の夏、私は水泳が苦手でしたが、先輩の高谷さん(エコオヤジ)が大学時代水泳部だったので、イルカプールで手ほどきを受けていました。

そんな時、桂浜沖に人の死体らしきものが流れてきたのです。竜宮岬から見ると人のようでもあり、流木のようにも見えます。通報するにも流木ではどうにもなりません。そこで意を決して確認することにしました。当時の桂浜は遊歩道沿いに土産品店が並んでいて、おばちゃんたちが浜に出ていました。

「行かれんぞね、やめちょき」

「水泳は高谷さんから習っていますから」

その日は高谷さんは休みでした。目標まで50mか100mか波打ち際近くまで流れてきていました。水中眼鏡で前を見ながら接近。1mまで近づくと心臓が凍りつく!背広姿の人が下向きに浮いていました。腐乱した様子はなし。必死になってとび逃げる。息もつかずクロールで泳ぎ波で打ち上げられた形。

「人や人や!背広着た大きな男や」

死体は流されて泳へ出て行き、夕方のニュースで実際は140cmほどの小柄な年輩の女性ということを知りました。動揺して目測を誤ったのでした。

その晩は朝倉米田の高知大学南溟寮へ行き、まだ卒業していない同期生たちや後輩たちとビールやら酒やらウイスキーやらを飲みまくって……、何とか眠りにつきました。

 

    私の昭和、平成、そして令和「怖かった話④」スタッフM」への2件のフィードバック

    1. これは怖かったですね😨

      でも、御遺体も御家族様も見つけてくださり喜ばれたとおもいます。

    2. その方に、どんな事情があったのか分かりませんが、見付けて下さってありがとうございます。

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