この寮歌練習の間に、喉が弱く大声が出せないという理由で退寮した者や夜逃げした者が出た。
たしかにシゴキではあったが、儀式のようなものであり、しっかり覚えなければどうこうされるものではなく、逆に寮歌は私たちの心の歌、誇りでもあるという感覚が生まれてきた。
コンパなどでは率先してこれらの歌が歌われた。当時はカラオケなどなく、手拍子で歌ったものだった。
現在、私の勤務する桂浜水族館に博物館実習やインターンシップで来る高知大生で南溟寮生(なんめいりょうせい)や寮をよく知る学生に聞くと、いつの頃から寮歌練習は廃れてしまい、寮歌が歌われることがなくなったとのこと。
それでも一部の高知大生や教官の間で「慕南歌」などが歌い継がれているようである。